ハワイのネイル事情:ワイキキのサロンで8年間ネイリストをやって感じたこと

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写真:Daiga Ellaby

今では日本全国にたくさんあるネイルサロン、その発祥はアメリカだといわれています。本場アメリカのネイル技術は日々進化し、ホテル内のスパで受けれる高級ネイルスパや地元密着型の格安サロンなど、メニューも選択肢が豊富です。ワイキキのネイルサロンで8年間ネイリストとして働いた私が感じたハワイのネイル事情をご紹介したいと思います。

ネイルサロンはとても身近な場所

ネイルサロンは、ハワイの人たちにとって日本とは比べ物にならないほど身近な場所です。予約が必須というわけでもなく、男性の方も多く利用されます。美容院のような感覚で毎月サロンに通う人はたくさんいらっしゃいます。

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「ネイリスト」は和製英語

ネイルを施術する技術者を日本ではネイリストと呼びますが、これは和製英語です。英語でネイルテクニシャン(nail technician)、略して「ネイルテック(nail tech)」または「マニキュアリスト(manicurist)」と呼びます。

日本と同じように、アメリカでも初対面の人との会話では必ず「何のお仕事をされていますか?」と尋ねられます。このときに「I’m a nailist」といってもほとんど通じませんでした。「I’m a nail tech」や「I’m a manicurist」と言います。

ネイリストになるにはライセンスが必要

アメリカではネイルのお仕事をするにはライセンスが必要です。ライセンスは発行された州でのみ有効です。ハワイでライセンスを取得した私は、アメリカ国内ではハワイ州内でのみネイルのお仕事をすることができます。ライセンスの有効期間は2年で、更新はオンラインで簡単に済ませることができます。

ハワイのネイリストの収入はどれくらい?

お客様の大半が観光客であるワイキキのサロンでは、繁忙期と閑散期で収入の差がありますが、私の場合、平均的なお給料は月3,000ドルくらいでした。これにお客様からいただくチップが加わります。巧みなトークでお客様から高額メニューをどんどん受注して月8,000ドルくらい稼ぐ同僚もいました。

ネイリストに支払うチップについて

アメリカでサービスを受けた場合チップを払うことは皆さんご存知かと思いますが、ネイルサロンでもチップは料金に上乗せしてお渡しします。レストランやタクシーと同じく、基本は利用料金の15%で間違いありませんが、自分が受けた施術に満足した場合や、担当ネイリストが良い対応をしてくれた場合などは、15%より多めに渡すと良いでしょう。

シンプルなネイルが主流

日本人と比べると、アメリカ人はシンプルなネイルを好むようです。自爪にネイルポリッシュかジェルポリッシュを単色で塗るだけというオーダーがほとんどです。ハワイのサロンでハイビスカスやヤシの木、虹などをモチーフにした可愛いデザインを入れられたいなら、日本人が経営するサロンに行かれた方が満足度が高いかもしれません。

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シェイプはスクエアオフが一般的

スクエアオフのネイル
欧米人にポピュラーなスクエアオフのシェイプ | 写真:Elena Taranenko

爪の形は、日本人の多くはラウンド(先端が丸い形)にしますが、指がスリムに見えるといわれるスクエアオフ(先端が平らで角を少し丸くする形)が欧米人には一般的です。ただ、2010年代中頃は、先の尖ったポイントシェイプも流行りました。

長さだし(フルセット)はあくまでも選択肢の一つ

ネイルサロンになれていない方が来店した際にお話を聞くと「サロンでやると長さだしをしなきゃいけない」という間違ったイメージを持ってる人が多いようです。短い爪でも綺麗にできますのでご安心ください! 

もちろん今でもアクリルパウダーで長さを出す施術を好む人もいます。いわゆる「スカルプ」と呼ばれる技術です。私が働いたサロンは、どこもチップを使っての長さだしが主流でした。爪が弱くて伸ばせない人、噛み癖があって伸ばしたことがない人、旅行中やウェディングのときだけ綺麗で揃ったネイルにしたい人にとって、アクリルは強度に優れているので長さだしに適していています。

長さだしのことをアメリカでは「フルセット(full set)」と呼びます。フォームを使ったスカルプチャーは技術と時間がかかるので、コストがかかるハワイではあまりメニューにはありません。

流行中のSNS

2016年ごろから欧米で流行っている「SNS」という新しいネイル技術・商品があります。ソーシャルネットワーキングサービスのことではないですよ! 私は日本ではまだ見かけたことはありません。

最近ではいろいろなネイルブランドから同じコンセプトの商品が出ていて、ディッピングパウダー、パウダーネイルなどと呼ばれることもあります。呼び方からイメージできる通り、粉状の素材で爪に色をつけます。

専用のベースコートを塗り、色がついた粉の入れ物に指を入れます。すると、ベースコートを塗った所だけに粉がつくというシステムです。均等にするため2、3回繰り返しトップコートを塗って仕上げます。

アクリルパウダーより強度は落ちますが、粉の中に爪に良いビタミン成分が入っているそうです。アクリルパウダーには強い化学物質が含まれ、施術する方もお客様もアレルギーを起こす場合があります。このSNSはきつい匂いも少なく、UVやLEDライト不要、ビタミン成分のおかげでダメージを受けたネイルも健康に戻るのが売りらしいです。

実際、数ヶ月続けてたお客さんから、爪が強くなったという声も聞きましたが、私個人の意見として、爪に本当に良いかは謎です。

こちらの施術は、アメリカ本土では場所にもよりますが20~40ドルでできるそうですが、ハワイだと50〜70ドルが相場のようです。

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