ハワイのネイルサロンにベトナム系のネイリストが多い理由

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写真:Rune Enstad

私がアメリカ本土を旅行中に見かけたネイルサロンやハワイのネイルサロンの従業員は、ほとんどがアジア人です。特にベトナム系の方が多く、経営者から従業員までほとんどがベトナム人のサロンも少なくありません。

私はワイキキのネイルサロンで8年間ネイリストをしていました。同僚の過半数がやはりベトナム人で、プライベートでも仲良くさせていただいている友人もできました。そんなこともあり、なぜベトナム系のネイリストが多いのか、すこし調べてみました。

キーパーソンはハリウッド女優ティッピ・ヘドレン

BBCの記事(https://www.bbc.com/news/magazine-32544343)によると、アメリカのネイルサロンにベトナム系のネイリストが多い理由には、ティッピ・ヘドレンが関係しているそうです。アルフレッド・ヒッチコック監督作品の『鳥』(The Birds、1963年)や『マーニー』(Marnie、1964年)などで知られるハリウッド女優です。

1970年代、ベトナム戦争から中越戦争にかけての混乱期に、多くのベトナム人が故国を逃れアメリカにやってきて、難民キャンプに入れられました。何もかもを失ったベトナム人女性たちの力に少しでもなろうと思ったヘドレンは、裁縫職人やタイピストを連れてカリフォルニアのとある難民キャンプを訪れ、彼女たちになにか手に職をつけてもらおうとしたそうです。

ところが、ベトナム人女性たちが興味を持ったのはヘドレンの綺麗にケアされた長くて美しいネイルでした。そこでヘドレンは、自分のお抱えネイリストを難民キャンプへ呼び、女性20人にネイル技術を教えたのだそうです。

彼女たちはその後、アメリカのネイル業界で確固たる地位を築きあげ、現在、アメリカの全ネイリストのなんと約半数がベトナム系だといわれるほどの地盤が作られたということらしいです。

まじめで手先が器用

ワイキキのネイルサロンの数はそんなに多くはありませんが、アメリカ本土では1ブロックに1店舗ネイルサロンがあるとまでいわれています。そのほとんどがベトナム人経営のサロンです。ハワイでも、ローカル向けのネイルサロンのほとんどがベトナム人による経営です。

彼らはとても働き者で、週に6日から7日働き、家族一丸となって経営しているサロンも多くあります。

手先が器用な人が多く、リクエストをすればとても可愛いヤシの木やハイビスカスのデザインを入れてくれる腕のいいネイリストもたくさんいます。ただ、例えば、漠然と「花」とリクエストした場合、中国系の花のデザインになったりすることもあるので、まずサンプルで確認してからオーダーされることをおすすめします。

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