夏の恒例イベント
ジョイ・オブ・サケ(The Joy of Sake)は、ハワイ・コンベンション・センターで毎年夏に開催されている日本酒のイベントです。私は2017年から毎年行っています。今年も夫と二人で行ってきました。さらに今年は、前日にカハラホテルで開かれた前夜祭『蔵元ディナー』にも招待されて出席しました。
開場時間の午後6時半の少し前にハワイ・コンベンション・センターにつきました。すでに多くの人で賑わっていました。30〜40代くらいの客層が多いように感じました。
チケットは一人105ドル。日本酒が飲み放題とはいえ決して安くはないイベントにこれだけの人が集まることに毎年ながら驚きです。日本酒ってハワイでとても人気があるんですね!なんだか日本人として嬉しいですよね。
会場の外では太鼓の演舞があり、続けて鏡開きのセレモニー。プラスチックのお猪口に入った鏡開きのお酒が配られ乾杯。会場の扉が開いて今年のジョイ・オブ・サケが始まりました。
512銘柄のお酒
広い会場の中央には純米酒、吟醸酒、大吟醸A、大吟醸B、などのカテゴリ別に分けられた日本酒が展示された試飲ブースがあり、壁沿いにはレストランやベンダーが料理やお酒を提供するブースが並んでいます。今年は512銘柄の日本酒が揃い、21のレストランが出店しました。
試飲ブースでは、大きなカップに入っている日本酒をスポイドを使って自分のお猪口に入れて飲むスタイルです。あくまでも “試飲会” なんですね。
全米日本酒歓評会
ジョイ・オブ・サケで試飲可能な512銘柄は、今年の6月に同じくハワイで開催された全米日本酒歓評会というコンテストの出品酒です。
コンテストでは審査員がつけた点数に応じてグランプリや金賞、銀賞などが決められます。ジョイ・オブ・サケの来場客に配られる小冊子にはすべての出品酒がリストされていて、どのお酒が金賞や銀賞を受賞したのかも記されています。
今年は、グランプリや準グランプリを受賞したお酒を中心に飲んでみました。以下、そのうちの3つをご紹介します。
大吟醸B部門 グランプリ
作 雅乃智中取り
清水清三郎商店(三重)
三重県鈴鹿市のお酒。自社保存の酵母を使用し、中取りで火入れは一回のみという、こだわりを感じるスペック(夫の受け売りです)。香りにも味にも気品があって美味しかったです。
吟醸部門 準グランプリ
勝山 純米吟醸 献
仙台伊澤家勝山酒造(宮城)
仙台伊達家の御用蔵だったことで有名な勝山の夏季限定純米吟醸酒。ボルドー型のボトルには蔵のロゴマークがエンボスで入っていて風格があります。とても華やかないい香りのお酒でした。ラベルにはドライタイプと書いてありますが、私にはほんのり甘く感じました。日本酒の甘辛がいまだにつかめない私です……。
純米部門 グランプリ 背振湧水(せふりゆうすい)
基山商店(佐賀)
初めて目にした銘柄でした。佐賀県東部、福岡県との県境にある基山町の酒蔵のお酒で、背振山という山の伏流水を使っているそうです。旨口っていうのかな? 夫が絶賛していました。
居酒屋アレイ
メイン会場の外の(屋内ロビー)は “Izakata Alley” という名前がつけられているエリアです。Alleyには路地や小道という意味がありますので、居酒屋がならぶ日本の横丁をイメージしたものかと思われます。
料理
ジョイ・オブ・サケの魅力のひとつが、ハワイ内外の有名シェフがこの日のイベントのために考案した創作メニューを楽しめることです。和食にとどまらない、ジャンルを超えたハワイ料理界の今を体験することができます。
以下、全てではありませんが私が今年食べたものをご紹介します。
京都に本店があるイタリア料理店イルギオットーネ(Il Ghiottone)は、参加21店中唯一の日本からの出店でした。
出店レストランとは別に、会場であるハワイ・コンベンション・センターが提供する巻き寿司もありました。ハワイの人は食欲が旺盛ですからね!
その他のベンダーブース
ブースではレストランのほかにインポーターや酒蔵による日本酒ブースや、酒器を販売するブースもあります。
酒器ブースでは、普通の盃や徳利のほかに、ネックレスくらいの長さの紐が付いたお猪口が売られていました。
これらは、ジョイ・オブ・サケのような立食での日本酒テイスティングイベント用に作られているそうです。たしかに、小冊子にお皿とお箸でもう両手がふさがっちゃいますよね。面白い発想です! お値段はひとつ20ドルでした。
6時半から2時間半、飲んで食べてあっという間に終了しました。
ハワイでの日本酒の人気とレストランのクオリティの高さを改めて実感できたイベントでした。11月には東京でも開かれる予定のジョイ・オブ・サケ、日本酒好きにはおすすめのイベントです!